入れ歯の仕上げ

　　時間をかけて重合させたものを、今度は時間をかけて
　　室温まで冷まし、フラスコから掘り出し、患者さんの口の
　　中に入れても痛みが無く、違和感の少ない入れ歯に仕
　　上げます。そして歯科医院に届け、担当された先生に渡
　　 します。

フラスコ埋没後の内部

　 赤色のパラフィンワックス（歯科技工用ワックス）の部分
　 を１００度のお湯で流し、床用レジンを填入するためのス
　 ペースを確保します。その後、床用レジンの填入後、フラ
　 スコを上下合わせ、圧力をかけ、熱湯で時間をかけて重
　 合（化学反応）させます。

フラスコに埋没

　 パラフィンワックス（歯科技工用ワックス）で作った歯ぐき
　 に床用レジン（プラスティック）に置き換えるために完全に
　 埋没したところです。

フラスコに埋没

　人工歯を並べ入れ歯の原型を金属で出来たフラスコと
　 言う器に石膏で埋没したところです。

人工歯の配列

　　赤色のパラフィンワックス（歯科技工用ワックス）で人工
　　的に作る歯ぐきの部分に、人工歯を並べ食事が出来るよ
　　うに歯ぐきを形作ります。これが最終的に完成する入れ
　　歯の原型です。

金属（パラジウム合金）の維持装置

　　ワックスで作った鋳型にパラジウム合金を鋳込み、金属
　　を磨いて石膏模型に合わせたところです。
　　このケースでは歯にかかっているのがクラスプと言い、
　　左右に長い部分がバーといいます。これらが入れ歯を口
　　腔内において食事、会話時に外れないようにする重要な
　　部分です。

ワックスアップ

　　石膏模型上に記入したガイドラインに沿って、後で金属
　　になる部分をワックス（歯科技工用のロウ）で鋳型を作
　　ります。（紺色の部分です）

石膏模型への設計

　　歯科技工指示書に従い石膏模型上に設計をし、患者
　　さんの顔を思い浮かべながら、技工作業を進めます。
　　このケースの場合はパラジュウム合金を使用するため
　　の設計を施します。

顎の石膏模型

　　歯科医師から歯科技工指示書と共に預かった顎の石
　　膏模型です。
　　これが私達歯科技工士が入れ歯作りの始まりです。

歯科技工指示書

　　歯科医師から入れ歯を作る顎の石膏模型と右の歯科
　　技工指示書を預かります。これらを先生から預かるとき
　　に、必要があれば模型を見ながら細部に渡る注意事項
　　受け、患者さんが快適に使用できる入れ歯を歯科技工
　　指示書に従って作ります。

　　　　　　　　　　　Ａ　　　　　　　　　　　　　　　　Ｂ　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｃ

　　　ＡとＢのケースでは左右をつないでいる金属をバーと言います。

　　　Ａのケースではバーとクラスプ（歯にかける維持装置）は先に説明しました様に、溶かした金
　　　属を鋳型に流し込んで作ったキャストバーとキャストクラスプを使って製作した入れ歯です。
　　　バーは入れ歯の床の面積を小さくし、強くする事が出来ます。そのため、異物感が少なく、舌
　　　の運動が自由で、発音、咀嚼の機能が向上します。しかしながら、設計を誤るとかえって機能
　　　の低下を招く事がありますので歯科技工士は細心の注意をはらって入れ歯を作ります。キャ
　　　ストバー・キャストクラスプは自由な形態に作る事と適合性が良く作れる事が出来ます。

　　　Ｂのケースではバーもクラスプもワイヤーを曲げて作った入れ歯です。この場合は、キャストに
　　　よって作ったクラスプ、バーは鋳造のためどうしてももろさが出てきますが、ワイヤーで作った
　　　物は粘り強さがあります。また、クラスプは歯に対して接触面積が小さいため、カリエスになり
　　　にくい面があります。

　　　Ｃケースではバーの部分をレジン（プラスチック）床で作っています。この様なケースでは患者
　　　さんの歯ぐきの形と抜けた歯の数によってバー適さない時に使用します。

　　　いずれのケースも歯科医院の先生が患者さんの口の中をチェックして、バー、クラスプ、床を
　　　色々組み合わせをして最良な入れ歯を作っていきます。